北方領土は、日本の領土です。歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島のことを言っているのではありません。樺太の南半分と、千島列島はカムチャッカ半島の手前にある占守島までの千島列島の全部が、日本の領土です。ということは、南樺太から千島列島にかけてのオホーツク海と、千島列島から南東に張り出した太平洋の広大な海域が、日本の領海です。
◎日本の心を伝える会メールマガジンNo.608  2012/11/11
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■□【1】北方領土と我が国主権のお話(1/2)
 北方領土は、日本の領土です。歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島のことを言っているのではありません。樺太の南半分と、千島列島はカムチャッカ半島の手前にある占守島までの千島列島の全部が、日本の領土です。ということは、南樺太から千島列島にかけてのオホーツク海と、千島列島から南東に張り出した太平洋の広大な海域が、日本の領海です。
 そういうと「ああ、戦前の話か」と思う方もおいでになるかもしれません。 いいえ違います。
 すくなくとも「ほんの2年前まで」、樺太の南半分と千島列島全部は、日本の課税台帳に記述があったのです。 課税台帳に記述があったということは、日本は「ほんの2年前まで」、そこを「領土」として認識していた、ということです。ところが、2年前、そこが領土から「消えて」しまいました。
 すこし詳しく述べます。 平成22(2010)年3月31日まで、日本は札幌国税局根室税務署の課税台帳には、樺太の南半分と千島列島全部について、日本の領土としての記述がありました。つまり、日本は、そこを日本の領土として認識していた、ということです。(ロシアは一方的に占領支配していただけです。)
 ところが、2009年夏、政権交替がありました。民主党が政権与党となり、鳩山由紀夫内閣が誕生しました。そして鳩山内閣は、国民に何も知らせないまま、「北海道総合振興局及び振興局の設置に関する条例」、「財務省組織規則の一部を改正する省令」を改正し、南千島から先の中部千島、北千島の島々を帳簿から削除してしまったのです。
 ですから平成22(2010)年4月1日からは、この広大なエリアは、日本国民が知らない間に、ロシアが占領し軍事的に実効支配する無領主エリアとなってしまいました。
 ひどい話です。 領土に関する話です。
 本来なら、国会審議が必要なことでしょう。けれど鳩山総理は、国会審議を要しない「省令」レベルで、北方領土を勝手に日本の領土から外してしまったのです。 こんなことが許されるのなら、たとえば竹島にしても、韓国が実効支配し、日本が課税台帳から削除すれば、国民が誰もしらないまま、竹島とその周辺海域は、日本の領土から消えてなくなります。
 そこで今日は、領土についてすこし詳しく見て行きたいと思います。
 このことを考えると、実は、いろいろなことがはっきりと見えてきます。
 まず千島列島は、北海道の東側にある知床半島、根室半島の先から、ユーラシア大陸のカムチャッカ半島まで伸びている列島です。一番北側の島々が北千島、まんなかあたりが中部千島、北海道寄りの歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島が、南千島です。
 「北方領土」というと、多くの方がイメージしているのは、このうちの南千島(歯舞群島、色丹、国後、択捉)です。けれど、本当は日本は、千島列島の「全部」が、日本の領土です。
 それだけじゃありません。樺太も、南半分は日本の領土です。そして、そこに日本の領土があるということは、その周辺の広大な海域が日本の領海である、ということです。
 そして近年、その領海の海底には、豊富な海底資源(メタンハイドレード、レアアース)が眠っていることが明らかになりました。従って、その広大な海域は、豊富な漁場としての値打ちを持つだけでなく、これからの日本や世界の資源エネルギーを語る上でもとても大切なエリアとなっているのです。
 さて、南千島だけでなく、樺太や北千島までと書くと、「そんなことはない。サンフランシスコ講和条約で、日本は千島列島と樺太の南半分を放棄したではないのか」と思われる方もおいでになるかもしれません。 おっしゃる通り、サンフランシスコ講和条約で、日本はこのエリアに関する「すべての権利、権原及び請求権を放棄」しました。講和条約の第二条Cには、次のように記載されています。
 日本は、千島列島並びに日本国が1905年9月5日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
「 権利、権原及び請求権を放棄する」というのは、日本が当該エリアの領主としての権利、日本がその権利を得ることになった原因となった権利、および、そのエリアに関する租税等の請求権を放棄する、ということです。このことは、ものすごく簡単に詰めていうと、領土としての「処分権」を放棄した、ということです。 ちなみに「処分権を放棄」することと、「主権を放棄」することは、まったく意味が異なります。
 わかりやすくたとえていうと、Aさんが自分が所有している(主権を持っている)携帯電話の処分を、Bさんに委ねた。そのとき携帯電話は、Aさんが、所有者Bさんが、処分権者です。
 もちろんBさんが処分先をCさんと決めれば、Aさんは約束通り、Cさんに携帯電話の所有権移転の契約を締結し、携帯はCさんのものとなります。
 領土の場合は、これを「割譲」といい、「割譲」には割譲するための条約を締結します。条約によって、晴れてその領土はCさんのものとなるわけです。
 例えば日清戦争のあとの下関条約で日本が台湾の割譲を受けたといったように、です。
 ところが、携帯電話の処分をBさんに委ねたものの、Bさんがその後、何もしなかったら、その携帯は誰のものでしょうか。 当然に携帯電話は、Aが所有者のままです。 北方領土についてみると、日本は連合国に北方領土の処分権を委ねましたが、いまだ連合国は北方領土の処分先を決めていません。決めたという条約もありません。
一 方、ロシアは、北方領土を実効支配していますが、サンフランシスコ講和条約にロシアははいっていません。ということは、北方領土は、単にロシアが占領しているだけであって、条約に基づく本来の所有者(=主権者)は、日本のままだ、ということになります。
 なにも欲張って言っているのではありません。国際条約や法を大事にするという考え方でいけば、そういう結論にしかならないということなのです。
 日本は、千島、樺太の処分権を、サンフランシスコ講和条約の相手国である連合国に対して提供しました。けれど、日本が処分権を放棄した後の千島、樺太が、どこの国のものになるのかは、サンフランシスコ講和条約には明記されていない。
 加えて、いま千島、樺太を占拠しているロシアは、サンフランシスコ講和条約に参加していない。つまり、処分権を受け取る当事者の立場にない。 にもかかわらず、ソ連は、千島、樺太を「占領」したままでいます。
 日本とソ連(あるいは現ロシア)との間で、千島樺太に関する領土割譲の条約の締結もありません。連合国側が、ソ連に対して千島樺太を売却もしくは譲渡したという記録もありません。(ヤルタ協定で密約があったと一時ソ連は主張していましたが、最終的にその主張をひっこめています)
 つまり、千島も樺太もいまだに日本の領土であり、当該領域の主権者は、日本のまま、ということになります。
 もうひとつ申し上げると、ロシアが千島、樺太を軍事占領しても、領有権はそれだけでは移転しません。このことは、イラクを米軍が占領しても、イラクの領土が米国領にならないことを見れば、簡単にご理解いただけようかと思います。
 イラクのフセイン政権は、米国と戦争しました。イラクは破れ、フセイン政権も倒れ、米国はイラクを軍事占領しました。 しかし「米軍がイラクを占領した」という事実は、イラクが米国の領地になった、つまりイラクの主権者が米国になったということを意味しません。世界中の誰も、そんなふうには思っていない。
 「軍事占領」するということと、「領土の主権を得る」こととは、まったく異なることだからです。
 ついでに申し上げると、同じことは大東亜戦争の終期においてもいえます。日本は、連合国(代表は米国)が軍事占領しました。けれど米軍は、日本を領有したわけではありません。あくまでもGHQとして、一時的な軍事占領をしただけです。
 つまり、日本の主権者は日本人にあります。ですから日本の軍事占領にあたって、GHQは、日本の主権は日本人にある、と宣言しました。これが日本国憲法における「主権在民」です。
 つまり日本国憲法における「主権在民」は、連合国が日本を軍事占領するに際して、それが日本の領有を意図したものでなく、あくまでも一時的な軍事占領にすぎないことを宣言した文言、ということになります。軍事占領は、主権の剥奪を意味しませんから(イラクの例に明らかです)、日本の主権は日本人にあります。
 そして日本に新たな独立政権が誕生したとき、日本の主権は当該政権が担うことになる。そういう意味です。従って「主権在民」の概念は、連合国による軍事占領とセットになった概念なのです。 主権在民(もしくは国民主権)を、軍事占領と切り離して考えると、非常におかしなことになります。
 主権というのは、領土に関する絶対権です。当然に交戦権をも含みます。つまり、日本人のひとりひとりが、日本全土の主権者(領主、所有者)であるということになる。ということは、いまこれを読んでいるあなたのお隣のお宅は、あなたのものということです。お隣さんがそれを認めないなら、あなたには交戦権があります(笑)
 要するに、主権在民というのは、イラクを連合国が軍事占領して一時的に統治するけれど、あくまでイラクの主権者は、イラクの民衆にありますよ、という意味でしかない、ということです。
 同様に、日本国憲法というのは、日本が占領統治された期間における、「連合国占領統治領日本」のための一時的な統治憲法であり、主権はあなたがた日本人にあるのですから、いずれ占領が解けた時点では、あなたがたの政府によって主権を固めなさいという意味のものでしかない、ということなのです。
 イラクの主権は、イラク国民が持っています。主権在民です。占領統治下にあっても、日本の主権は日本国民がもっています。主権在民です。なぜなら軍事占領と、領土の割譲は意味が違うからです。


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