from: 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成24年4月16日通巻第3624号
(読者の声1)「アメリカから見た神風特攻隊」について。
ネットで見つけた10分ほどの動画です。カミカゼと言えば無駄死、犬死という自称評論家も多いのですが、当のアメリカ軍はどう思っていたのか。

動画の4分8秒あたりから、「特攻パイロットの多くは頭脳明晰な大卒のエリート達だった」、「なによりも大切な家族を守るため、親兄弟を守るため、故郷を守るために彼らは命をなげうった」、「アメリカが攻め込んでくれば、日本の国家も文化も天皇も、なにもかもが破壊されてしまう」、「彼らがそれをくいとめるべく、空の軍神として出撃していったのです。」
動画の8分40秒あたりからのナレーション、アメリカ海軍の損害は撃沈30隻、損傷368隻という第二次大戦で最大のもの。太平洋軍司令官のニミッツは、沖縄戦開始後二ヶ月で、もうこれ以上持ちこたえられないと本国に打電し、兵士たちも、もう生きては帰れない、と絶望感をただよわせている。
動画の最後で損傷を受けた戦闘機を海に捨てる場面がでてきますが、ベトナム戦争の最終局面での空母からヘリコプターを海中に投棄するシーンと重なります。
戦争末期の日本軍の抗戦能力についてはいろいろ議論があると思いますが、大局的には日本の敗戦は必至だったのでしょう。しかしながらアメリカ軍に予想以上の損害を与え、心理的に大きなダメージを与えた特攻作戦、ベトナム戦争でのテト攻勢がアメリカ世論を反戦に変えたのに対し、テレビ放送が始まったばかりの1940年代にはアメリカ国民にその損害が伝えられることはなかった。
日本がポツダム宣言を受諾せずに本土決戦を選択していたら米軍の損害はアフガン・イラクどころではないはず。しかしながら皇室は存続し得たのか。国土もカルタゴのように完全に破壊し尽され、三発目の原爆が東京に落とされたかもしれない。
現在の日本は軍事的にアメリカの属国でありながら、アメリカは腫れ物に触るような態度で接することもしばしば。日本に敗戦の後遺症があると同様に、アメリカにも原爆投下の疾しさがあり、日本人が団結した時の怖さがわかっている。
日本がアジアでアメリカ抜きの共同体を構想しようものならアメリカは全力で潰しにかかってきます。ありえない仮定ではありますが、日中が同盟を結んだなら、アメリカはグァムどころかハワイまで防衛線を後退せざるを得ないでしょう。
国土防衛でもアメリカはF-22を機密上の理由で売らず今年で生産中止。F-35も開発の遅延が懸念されています。
先週、「日英で武器共同開発 首脳会談で合意へ」といったニュースがありました。

中国が次世代ステルス機の開発を進めるなか、英米とも防衛費削減で次世代機の開発に遅れが出ている。
日本も先端技術実証機の「心神」の開発を進行中ですが、国防の基本としてはアメリカの横槍をはねのけ自主開発するのが筋でしょうね。(PB生、千葉)

(宮崎正弘のコメント)いまの日本がまだ、ときおり尊敬されたりするのは、特攻の精神の遺産でしょう。
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