平成27年7月2日茂木弘道氏「史実を世界に発信する会」よりご案内があり紹介

 先日ドイツテレビが取材に来て1時間ほどインタビュー録画をしていった。慰安婦問題について記者がいきなり、慰安婦に日本軍がレイプ暴行という戦争犯罪を犯したしたことについてどう思うかと質問してきたのにはびっくりした。
 ちょっと誤解しているのではないか、慰安婦制度は「強姦」などを防止するために導入したのであり、慰安婦は高い対価を得て商売として売春をしていたのであり、レイプなどとは全く違うよ、と答えたのであるが、海外ではこれほどのひどい誤解が広まっていることに改めて驚いた次第である。
 本書は、作者が10歳の時にソウル北方40キロほどの村に住んでいる時に朝鮮戦争が起こり、村を「解放」してくれたはずの連合軍(米軍)が村の女性を襲う婦女強姦が多発し、「米軍売春村」の設置によってその解決がなされたことを体験したことを基に、戦争と性、売春についての考察を行ったものである。
 「慰安婦問題」を考える上で、非常に参考となる本、と言うか必読の書であると考え、著者のご承諾を得て、英訳して広く紹介することにした次第である。
韓国の米軍慰安婦はなぜ生まれたのか(ハート出版)
崔 吉城(広島大学名誉教授・東亜大学教授)
はじめに
 本書のテーマは「韓国人」と「性=セックス」についてである。
 私はこれまでこのテーマでいくつかの論文を暫いたり'講演、講義をしたりしてきた。本書はそれらをもとに新たに書き下ろしたものである。
 セックスについては誰でも思春期のころから関心を持つ事柄である。しかし、私のセックスに関する考え方の原点は、それよりもっと古く遡る。
 それは60年以上前、1950年に起きた朝鮮戦争での体験である。当時私は10歳であった。それは何度も繰り返し思い出し、忘れられないことであり、私自身が証言者や語り部になって'時には面白く'時には悲惨な表情で語ることもある。真実からずれてしまわないようにと、自ら戒める体験でもある。
 朝鮮戦争で国連軍は平和軍であり、共産化、赤化から民主主義を守ってくれる天使のような軍と思われていた。しかし私の故郷である村で'韓国民にとって味方であるはずの国連軍によって行われた婦女暴行は凄惨を極めた。戦時下において人間はかくも凶暴な存在となり得るのか。これらの性暴行がどのくらい広い範囲で行われたか'今となっては確かめようがない。儒教的な倫理観が強いその村では、それまで売春婦を置くことなど許されなかったが'戟争という不可抗力と、性暴力の恐怖によって、住民たちは売春婦を認めざるを得なかったのである。
 これが、慰安婦問題を論じる上で、日韓両国そして国際社会が避けて通れない「米軍慰安婦」の成り立ちである。しかし、それについて韓国国内で論じることは長きにわたってタブーとされた。
 私は1997年に呉善花氏と対談した本「これでは困る韓国」(三交社刊)の中で'、国連軍によって私の故郷の村が恐ろしい性暴力を受け'それを防衛するために売春村になったことを語った。この問題設定に対し、'韓国国内から肯定的な反応は全くなかったどころか、韓国のテレビ局MBCなどから'容赦のないバッシングを受けることとなった。
 いま日韓において不和の火種になっている問題として、いわゆる「従軍慰安婦」がある。最悪の日韓関係の中で'反日や嫌韓などの昏物が氾濫してお-り「従軍慰安婦」に関するものも多い。戟争にはセックスが付きものであるという否定できがい事情はあるわけだが'旧日本軍については、朝日新聞の誤報により国際的に「性奴隷」として批判されている。
 私はそれをもって正論や非論、攻撃と防衛、反日と嫌韓など肘として二分論では考えない。それは現時点での人権思想によって問われるべきではない。それが起きたのは人が殺し合う戟時中のことであり、人権意識も人間性もない戟争中の軍人の性の問題として慰安婦問題を考えてほしい。
 本書で取り扱う「慰安婦問題」については、単に平和主義に基づ-反戟運動的なものではな-'戟争や性犯罪をみて、もっと根本的な人間の本性の「性=セックス」に追って、考察したものである。ただ個人の問題だけではなく。社会ではどうなるかを問うてみたい。
 例えば韓国を例にすると'長い間儒教倫理を強調して生活しているが、その倫理が戦争や非常時には守られるのかへ貞操を命のように重要視してきている儒教社会における性モラル、性はどうであろうかと問うている。私は性モラルや売春業の経済性などについて云々とするわけではない。
 私はこれまで'日韓関係については愛憎ではなく両国の文化的比校に関心を持ってきた。この時期、この慰安婦問題に触れるのは危険と感ずることがあるが、正直にその分、関心が湧いてくるのも事実である。学問の客観性に依れば安全、政治的に傾くと危険'つまり安全と危険の瀬戸際のテーマと言えそうである。
 また本書では、韓国における儒教の性や貞操という倫理の弊害にも触れた。それから結婚と離婚、側妻制度、姦通罪、喫茶店売春など様々な問題まで広げてみた。
 性は動物の生存にかかわるものであり、快楽が含まれてお、性愛は神からの賜物ともいえる。ただ快楽は人間を動物化して堕落させることもある。宗教家や聖人たちが性の危険性を警告しているのは周知の通りであり、性の抑圧が性犯罪を起こす要因の-つであることが明らかになっている.。 本番の中で私は戦争中の人間を観察して、性暴行と売春の関係を考察した。その典型的な例として'儒教的な性倫理が守られていた村が戦争中に一気に売春村になった例を出してみた。私の見解が十分検証されているわけではないが'読者fちと1緒に考えてみたい。

目次

第一章私が体験した朝鮮戦争
軌鮮戦争勃発
北朝鮮時代_
輔国時代にもどった
中共軍侵入
国連軍がやってきた
国連軍の性暴力
歓迎された売春婦
第二草性暴力から売春へ
売春婦は「必要悪」
いわゆる従軍慰安婦問題
米軍の性暴力と米韓関係
戦争と性
第三章売春の広がり
韓国における一般的な売春
茶房
アガシたちに話を聞く
結婚を狙う
第四章韓国における性倫理・貞操観念
性倫理と売春
韓国の伝統的な貞操感のルーツ
韓国における貞操感
貞操によるアイデンティティー
貞操のナショナリズム
第五葦『日本軍慰安所管理人の日記」
本書を読むにあたって1
日記出版の経緯.
日記は公開を前提としていない.
日記の様式_
〝忠良なる臣民
「帳場人」としての生活12
“望郷〞の念.
兵站と慰安所
慰安所の実際
慰安婦の実際
軍政下の慰安所.
結論崩として.
第六章朝鮮戦争と韓国社会の変化
大戦直後の韓國祉会
朝鮮戦争後の祉会_
反共思想と軍事クーデター
性的拷問と民主化運動
斡国におけるキリスト教の流行.
韓国の近代化と「セマウル運動」
戦中は正しいか、不正か
終わりに
参考文献
Secret

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